薄い子宮内膜による反復着床不全
子宮内膜は、受精卵(胚)が着床する重要なベッドのような役割を果たしています。様々な理由で内膜が薄くなってしまうと、着床が困難になります。このような方に、近年、PRP(多血小板血漿)不妊治療の効果が報告されています。
PRP療法とは?
<効能・効果>
PRP療法とは、自分の血液中の血小板に含まれる成長因子が持つ修復能力を利用し、人間に本来備わっている「治る力」を高めることでケガや病気の治癒を促す、いわゆる再生医療です。
血小板が放出する成長因子には、細胞増殖や血管の形成などに役立つものが数種類あります。それらが子宮内膜の損傷部位に直接働きかけて細胞増殖を促進し、修復機能を高め、自然治癒力によって傷を治療するのです。
<方法>
採血して患者様自身の血小板を分離し、培養することなくそのまま子宮内に多血小板血漿を注入するため、安全性の高い再生治療と言われています。
<適応>
- 子宮手術既往があり、内膜がうすく着床困難な方
- 重度着床不全の方
<成績>
現在、産婦人科PRP研究会を中心に他施設と共同研究で治療成績について集積しているところです。
<副作用>
再生医療ですが、血小板は子宮内に投与するため、血管内投与のような重篤なアレルギーの報告はありません。胚移植と同様の手技です。稀に子宮内感染や子宮出血を起こすことがあります。
<その他>
再生治療であるため各地域厚生局への申請認可が必要です。まだ全国的に実施施設は少ないですが、今後期待される治療で、当クリニックでは2020年4月20日に「再生医療等提供計画」の届出が受理され、PRP治療が実施可能となりました。
PRP治療をご希望の患者様はお電話にてお問い合わせください。